尿失禁・頻尿

尿失禁・頻尿とは

トイレ排尿機能にまつわるトラブルの中でも、特に尿失禁や頻尿は年齢のせいだから仕方がないものとして我慢を決め込む方や、デリケートな症状に対する恥ずかしさから病院を訪れるまでに至らない方が少なくありません。
しかし多くの場合、尿失禁や頻尿は病院で治療を受けることによって改善を十分に見込むことが可能な症状であるばかりか、場合によってはそうした症状の裏に隠された何らかの病気を見つけ出すことができる可能性もあります。
だからこそ今、あきらめたりためらったりせずに病院を訪れて、排尿トラブルから解放された快適な日常生活を送るきっかけ作りにいそしみましょう。

尿失禁とは

尿失禁とは、自分の意思とは無関係に尿が漏れ出てしまう状態をいいます。
通常、膀胱に溜まった尿が一定の量を超えると、そのことが脳に伝えられて尿意が発生し、人はその尿意にしたがって排尿という行動を選択します。しかし、何らかの原因でこうした一連の機能のどこかに障害が発生した場合、時や場所を選ばずに尿が漏れ出る状態に陥ることがあります。これが尿失禁です。
尿失禁には常に不衛生な状態や不快な感覚がつきまとうだけでなく、尿が不意に漏れ出ることへの不安感から外出を控えるなどして日常生活にまで支障をきたすなど、その症状が生活の質を大きく低下させる場合があります。そうしたストレスから解放されるためにも、ためらうことなく病院を受診することが大切です。

頻尿とは

頻尿とは、何らかの原因で排尿の回数が過度に増した状態をいいます。
一般的に1日の活動時間内における排尿回数が8回を超えるかどうかが頻尿を判断するための目安とされていますが、1日の平均排尿回数には個人差があるので、実際には厳密に定義された判断基準が存在するわけではありません。したがって8回未満でも頻繁と感じるようなら、その人は頻尿の状態にあるといえます。
頻尿は常にトイレのことを心配しなければならない不安感から外出を控えるなどして日常生活にまで支障をきたすなど、その症状が生活の質を大きく低下させる場合があります。そうしたストレスから解放されるためにも、尿失禁と同様にためらうことなく病院を受診することが大切です。

尿失禁・頻尿の原因

トイレ排尿機能に起きる障害は尿が出やすくなる蓄尿障害と尿が出にくくなる排出障害の2種類に大きく分けられ、ほとんどの尿失禁や頻尿も基本的にはこのどちらかに該当して発生します。
その原因を尿失禁は発生パターン別に、頻尿は発生を招く症状別にご紹介していきます。

尿失禁の原因

尿失禁はその発生パターンによって以下のような5つのタイプに分けられ、それぞれに原因が異なる場合があります。

  1. 腹圧性尿失禁
    くしゃみや咳、大笑いをした時など、不意にお腹に力が入った瞬間に尿が漏れ出てしまうタイプです。そのほとんどは女性に発生します。
    女性に発生しやすいことの主な理由には出産や加齢を経ることで尿道をコントロールしている骨盤の筋肉が次第に弛緩していくことが挙げられますが、その他にそもそも女性の尿道が短いことも影響していると考えられています。
  2. 切迫性尿失禁
    急な尿意に襲われて、こらえきれずに尿が漏れ出てしまうタイプです。男性よりも女性に多く見られます。
    主な原因には、何らかの病気や加齢などにより膀胱の収縮活動がコントロールを失って、溜まった尿の量が少ない段階から尿意が頻発されるようになる過活動膀胱が挙げられます。
  3. 溢流(いつりゅう)性尿失禁
    何らかの原因で尿道が圧迫を受けて尿が出にくくなると、排尿後も膀胱に尿が残る残尿の状態や、尿意があっても尿が出せなくなる尿閉の状態が発生することがあります。こうした状態において、行き場を失った尿がやむをえずに少量ずつ溢れ出てくるタイプです。
    主な原因には男性特有の器官である前立腺が肥大して尿道を圧迫する前立腺肥大症が挙げられ、実際にもこのタイプは男性に多く見られます。
  4. 機能性尿失禁
    排尿機能の問題ではなく、身体的な障害などによる運動機能の問題でトイレまでの移動に時間がかかったり、認知症などによる認知機能の問題でトイレの場所がわからなくなるなどして尿を漏らしてしまうタイプです。
  5. 混合型尿失禁
    腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁の両方に当てはまるタイプです。

頻尿の原因

頻尿を引き起こす原因には、主に以下のような症状が挙げられます。

  1. 過活動膀胱
    膀胱の収縮活動がコントロールを失って、溜まった尿の量が少ない段階から尿意が頻発されるようになり、尿が十分に溜まるまで我慢することが難しくなる症状です。
    それにより頻尿はもちろんのこと、急な尿意に襲われる尿意切迫感やその尿意をこらえきれずに漏らしてしまう切迫性尿失禁などが発生します。
    脳や脊髄の病気、男性特有の前立腺肥大症、膀胱炎、加齢、精神的なストレスなど原因はさまざまですが、原因がはっきりしないケースも少なくありません。
  2. 残尿
    排尿を終えても膀胱に尿が残ってしまう症状です。残った尿のせいで次の尿意が通常よりも早いタイミングでもたらされるようになり、頻尿が発生します。
    主な原因には男性特有の前立腺肥大症による尿道の圧迫や、膀胱炎による膀胱の機能障害などが挙げられます。
  3. 多飲多尿
    水分を過度に摂取する症状を多飲といい、その多飲によって排尿量が過度に増える症状を多尿といいます。尿の量が増える分、排尿の回数も増えて頻尿が発生します。
    一般的に1日の排尿量が3リットルを超えるかどうかが多尿を判断するための目安とされています。
    主な原因には糖尿病、体内の水分調節機能に障害が発生する尿崩(にょうほう)症、精神的なストレスによる心因性多飲症などが挙げられます。
  4. 心因性頻尿
    排尿機能には問題がないものの、精神的な緊張のせいで尿意を感じやすくなり、やがてトイレのことばかりが気になる状態に陥って、何度もトイレに入ってしまうようになる症状です。

尿失禁・頻尿の治療

尿失禁や頻尿の治療には薬物療法を中心にいくつかの方法があり、原因や症状の程度などに応じて適切なものが選択されます。

薬物療法

尿失禁や頻尿に対して処方されることの多い代表的な薬として抗コリン薬やβ受容体刺激薬が挙げられます。前者は膀胱の異常な収縮を抑えることで、後者は尿道を締めつけることで、尿失禁や頻尿の症状を改善します。
ただし、残尿や尿閉の状態を招きやすい前立腺肥大症が原因となって尿失禁や頻尿が発生している場合には、これらの薬を服用することで逆に状態を悪化させてしまう可能性もあるので、服薬にあたってはきちんと泌尿器科医による指導を受けることが大切です。

運動療法

尿失禁や頻尿の多くは、膀胱の機能障害に伴う異常な収縮や、女性では尿道をコントロールしている骨盤の筋肉の弛緩によって発生します。
これらに対する治療として、膀胱に溜める尿の量を徐々に増やしていく膀胱訓練や、骨盤の筋肉を鍛える骨盤底筋体操を日常生活に採り入れることが比較的有効とされています。

その他

症状が重かったり、他の方法で十分な効果が得られなかった場合には、骨盤の筋肉に電気や磁気で刺激を与える療法や、人工のテープで尿道を吊り上げて支える手術などを行うこともあります。前者は切迫性尿失禁や一部の頻尿に対して、後者は腹圧性尿失禁に対して有効とされています。

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