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私たちは診察をする前にいろいろお話を伺いますが、泌尿器科なので「おしっこの出方はいいですか?」とよく聞きます。そこで返ってくるのが、「年相応の出方ですね」という返事です。「若いときよりはおしっこの勢いがなくなってきたけど、周りの者もそんなだから歳相応でしょう。」 確かに歳とってくると、体のいろいろな部分に老化が出てきて、膀胱の力など多少は弱ってはきますが、果たして歳だけのせいにして良いでしょうか。
男性には前立腺という生殖器があり、精液の一部を分泌して精子を保護する役割を果たしています。前立腺は50歳を過ぎた頃から、大なり小なり少しずつ肥大し始め、いわゆる前立腺肥大症になってきます。皆が肥大症になるわけではなく、中には正常の方も多くおられます。前立腺肥大になると、頻尿(特に夜間)、排尿力低下、排尿時間延長などの症状が出て来ます。従って、歳とってきてからおしっこの勢いがなくなってきたのではなく、前立腺肥大があるから悪くなってきた可能性がある事を、考えておく必要があるのです。
また前立腺癌の心配もあります。癌は進行しないと症状はなかなか出てきません。前立腺癌においては特にそうで、初期の場合は排尿障害などの自覚症状は、ほとんど出てきません。それで「ちょっとおしっこの調子が悪い」といった症状があるときは、ひょっとしたら進行した前立腺癌の可能性もあるわけです。
このように「おしっこの勢いが弱くなった」という裏には前立腺肥大、前立腺癌と言った病気が隠れていることを十分に認識しておく必要があります。決して「歳相応だから」とか「もう歳だから」というように、歳だけのせいにはしないようにしましょう。
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